君でいいんだよ

 

以前、全国のYMCAでキャッチコピーを募集したところ、当時岩手大学人文社会学部1年生だった、竹内一真リーダーが、上のコピーを考えてくれた。一真リーダー自身も小学生の頃、横浜YMCAのサッカークラブのメンバーで多くのキャンプに参加した経験を持つ。
小学生の頃の一真リーダーは、サッカーの練習の時いつも土や草をいじっていてさっぱりサッカーの練習をしなかったらしい。だから、YMCAのサッカークラブでそういう子を見つけるとたまらなくいとおしくなると言う。

一真リーダーは、とにかく「あわてもの」。ぜんぜん落ち着きがない。きっと小学生のころもあっちでチョロチョロ、こっちでチョロチョロして怒られていたんだろうな。そんな彼にとって彼自身を認めてくれる場がYMCAだったのかも知れない。

「やっぱ、YMCAってこれっすよね。」とキャッチコピーを持って来た、一真リーダーの顔は、自信に満ちていました。サッカーでもキャンプでも誰より大騒ぎする一真リーダー。あれから、10年。彼は今、大阪の大学で教育学を学生に教えている。
今日も「今の君たちがかけがえのない君たちなんだ」そんなメッセージを胸に秘めて教壇にたっているんだろうな。

(盛岡YMCA総主事 濱塚有史)

 

日本の青少年を外国と比較する調査は、学力を始め、いろいろと行われています。でも、学力より遥かに問題が深い調査があります。子どもたちが自分たちをどう評価しているか…という調査です。
様々な国と何回か比較した調査がありますが、どれをとっても日本の子どもたちの自己評価は遥かに低いのです。これは大きな問題です。「どうせ自分はこの程度…」と思って育った人は、本当に自分を好きに=愛せるようになれません。

子どもたちを取り巻く環境の変化も多く影響しているのでしょう。ちょっとしたことも褒める、失敗より挑戦したことを褒める…そんな良い意味での「甘やかす」態度が、最近の大人たちに見られなくなったのではないでしょうか?
別の意味での「甘やかす」=善悪を躾けずに放任=はよく見受けるのですが

YMCAは、子どもを減点法では見ない所です。僅かな点にも目を留め、褒めて、ホメて、褒めまくります。子どもたちも友達同士でホメ合う。指導者やボランティアの学生とホメ合う。そんな様々なかかわりの中から自信を持ち、自分を好きになれた子は、他の人の良さも認め、愛することができるようになります。

わたしたちYMCAは、子どもたちに「君たちは素敵なんだよ。だから自信を持って自分を大好きになってイイんだよ…」と様々な活動を通して自然に伝えていきます。